メインコンテンツにスキップ
一般社団法人 落語協会
  1. TOP
  2. 落語協会の活動
  3. 2025年『謝楽祭俳句』募集 総評

落語協会の活動

2025年『謝楽祭俳句』募集 総評

謝楽祭俳句募集 総評

今年は400句を超える投句をいただきましたが重複句などを外し391句の投句から以下の秀句を入選と佳作にさせていただきました
賞状賞品送付は後程
句評も後日落語協会ホームページにて発表いたしますので楽しみにお待ちください
謝楽祭俳句募集選考委員   金原亭世之介

 

「秋雨」

秋雨や暮残りたるカフェの椅子  黒川俊郎

ろくでなしからの着信秋の雨   川又しのぶ

追い出しや憂世に帰る秋の雨   笹嶋 (酒井美穂)

君の声秋雨とざす恋模様     鈴田留依

動かぬは秋雨の雲と片思ひ    岡田基壱

秋雨や過ぎと足らずで笑ひ失す  桑原駘夢 (桑原龍司)

 

「南瓜」

かぼちゃ屋のお客小さんと上を見る こまく (柘植勇人)

断ち切って見える南瓜の黄金色   土佐林優紗

エコバックに唐茄子一つ高気圧   九曜 (星順子)

南瓜割るぶっきらぼうに笑ふ君   萩谷心奈

ふるさとの唐茄子届く縁談と    小田毬藻 (小田和夫)

校庭の隅で児等待つ南瓜かな    几右 (友井求)

 

「下駄」

父の下駄手の届くほど雲の峰   ハイカー伸(中川伸)

吊るされて下駄の売られし秋の暮 丸亀敏邦

秋晴の小指はみ出す下駄軽し   鹿澄 (望月和美)

盆荒やかたと鳴りたる父の下駄  櫻庭寛

守宮棲む三和土の父の下駄のかげ  雪鹿 (中村逸子)

下駄ならぶ小さな石がまじっとる  佐々木心音

 

佳作

仲直り秋雨の中逢ひに行く     田辺凪沙

秋雨に誘われるまま本開く     請井花

南瓜畑案山子と並ぶ影ふたつ    原佳菜咲

かぼちゃ煮はもうそろそろかリモート会議 田中佳子

秋雨にレトロの駅舎の赤煉瓦   手巻亭のり太(佐藤正義)

捨てなさい楽になるよと秋の雨   美代子(斎藤美代子)

黄帽子の童が覗く南瓜花      横山白首(横山準一)

お長屋に十の唐茄子ゴトゴトト   丸岡奈々枝

腰切りて小魔女選んだペポカボチャ 吉茄子(中村嘉弘)

夏暖簾をわけて出で来る日和下駄  渡嘉敷五福(稲福達也)




俳句募集要項

令和7年(2025年)今年も「俳句」の募集をいたします

各賞受賞の発表は後日落語協会のHPにて発表いたします

懸 賞:賞状、橘右橘師匠による入賞者の名前の一字を寄席文字色紙として、他にも素敵な懸賞を用意いたしております

兼 題:「秋雨」「南瓜」「下駄」

募集要項:住所、氏名、俳号(ペンネーム)、年齢、電話番号、メールアドレス

募集〆切:8月31日(日)必着、投句無料、メールまたは郵送

メール宛先:sharakusai-haiku@kingpro.co.jp
 メールには2025年謝楽祭俳句募集と記してください

郵送宛先:〒110-0005 東京都台東区上野1-9-5
     一般社団法人落語協会内
     2025年謝楽祭「俳句」係 


注意

「秋雨」(あきさめ、しゅうう)は秋の季語です。秋に降る長雨の事を言います。「笠碁」はこの秋雨が背景にあります。秋霖(しゅうりん)、薄梅雨(すすきつゆ)とも呼ばれます。夏の暑さから秋の涼しさに変わる時期に、秋雨前線によってもたらされる長雨のことで、梅雨の時期の雨とは異なり、しとしとと降り続く様子が特徴です。どこか寂しげで物悲しい印象を与える季語です。

「南瓜」(かぼちゃ)は唐茄子、南京ぼうぶら、栗南瓜など呼び名は色々、夏の間に大きな黄色い花をつけた後に秋に実を結びます。人の頭ぐらいあるものが畑にごろごろ転がっている様子はどことなくユーモラスで「かぼちゃ屋」「唐茄子屋政談」など落語の中に幾度となく出演する中秋の季語です。

「下駄」は一般的に夏を連想させる履物で浴衣を着る際に下駄を履くことが多いことから、夏の季語として認識されています。しかし、下駄は一年中履くことができるため季語としては夏に限定されたものではありません。例えば、「雪下駄」のように冬の季語として使われることもあります。怪談噺の「牡丹灯籠」池之端七軒町に響くカランコロンの下駄の音はまさに夏の季語でに

今年も謝楽祭らしい落語の世界ならではの秀句を詠んでご応募ください。お待ちしております

選者 金原亭世之介 「河」「かいぶつ」同人 公益社団法人俳句協会会員 大正大学客員教授


落語協会イベント